北海道新聞 “日本グランデ「健康マンション」急成長”の記事掲載

2007年7月19日

 

 設立四年余ながら、既に自社ブランドの分譲マンション「グランファーレ」シリーズを札幌市内で七棟着工した急成長企業。昨年は百四十六戸を売り出し、地場や国内大手の業者がひしめく中、市内発売戸数ランキングで九位に浮上した。

「こだわり」実現
 国内大手のダイア建設(東京)で本店長、東関東支店長などを経て北海道支店長を六年間務めた平野雅博社長が「好きになった札幌で、自分の思い描いたマンションをつくりたい」と独立した。
 前面に打ち出すのは健康面への配慮だ。清浄な空気を保つため、室内の天井裏に一戸あたり三百-四百㌔の炭を敷き詰めている。七棟中三棟には入居者専用の天然温泉を設置し、市内の源泉から湯を運び週末中心に開いている。
 また、入居者のこだわりにも細かに応じる点も特徴だ。間取りやキッチンのカラーオーダー、照明器具やドアノブに至るまで自由に設計できるようにしている。このため、入居契約者との打ち合わせは平均五、六回にも上るという。
 それでいて一戸あたりの平均価格は3LDKで二千四百万円、4LDKでも二千七百万円と「同じ広さで比べれば大手より12、13%安い価格帯」(平野社長)。労力と時間がかかる“こだわり”の一方でこうした価格を打ち出せるのは、社員が少なく小回りが利くためだ。社員三十人のほとんどは大手デベロッパーやゼネコンの出身で、即戦力として採用している。

在庫はほぼゼロ
 口コミで評判が広がり、現在の在庫物件はほぼゼロ。他のマンションや一戸建てからの住み替えが購買層の中心で、札幌市内では年間二百戸の供給体制を確立したい考えだ。
 課題はマンションブームと地価上昇で難しくなっている土地の取得。最近は民間でも入札制度の採用が増えたが、平野社長は「社員自ら歩いて好物件を探すしかない」と気を引き締める。
 一方で首都圏市場への参入を決め、八月に東京支店を開設する。道内マンション業者が東京に進出するのは異例だが、寒冷地仕様の外断熱工法を猛暑対策として売り込むなど道内企業の特色を打ち出していく。
 本年度の売り上げ見込みは約四十億円。三年後をめどに上場を目指しており、平野社長は「できるだけ早く年間百億円の売り上げ目標を達成したい」と話している。